Classici giapponesi con furigana
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
Leggi 犀星王朝小品集 (おぎふくうた) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 105.794 caratteri · 211 schermate
荻吹く歌
あしからじとてこそ人の別れけめ
何かなにはの浦はすみうき 大和物語
寝についてもいうことは何時もただ一つ、京にのぼり宮仕して一身を立てなおすことであった。練色の綾の袿を取り出しては撫でさすり畳み返し、そしてまたのべて見たりして、そのさきの宮仕の短い日をしのぶも生絹の思いはかなんだ日の仕草であった。袿はまだ匂いをのこしているものの早その色を褪せかけようとしているほどだった。
今は菟原ノ薄男とまで下賤な人のように世間で呼ばれるようになった右馬の頭とても、そういう生絹のあどけなくも鋭いのぞみを見るともう生絹を京にやるよりほかに愛しようとてもなかった。右馬の頭の機嫌の好い時、食うものにさえ欠けがちに寝についた夜に、お怒りになるようなら申し上げはいたしませんけれど、お怒りにならないようならお話いたしとうございますと低い声音で、月のような顔を擡げる時、もう、生絹のいうことが何であるかが大抵わかっていた。眼を凝らして何時かはそれを聞きとどけねばならぬ右馬の頭は、それだけに生絹の去ったあとに生絹のような女に行き逢うなどとは思いもかけぬことだった。