Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 289.044 caratteri · 575 schermate
あなた覚えていらっしゃるかしら、いつか書いた私の手紙に、悲劇はない、というような意味のことをかいていたのを。自分の生活感情として。覚えていらして? ところが、あれは、主観に立ってだけのことで、それも今からは浅いと思われます。卑俗な云いかたでのそれはないにきまっているが、悲劇は人生にあります。悲劇とか不幸とか云うものはあります。(私の自分のことではなく)私はこの夏暑いところでいろいろきいていて、悲劇の悲劇であることをはっきり感じたことがあります、一人の婦人の善意の遭遇しためぐり合わせについて。作家として、テーマの本質をつかみ出すこと、その理解によって全体を見とおす平静さと悲劇はない、ということとは大したちがいです。そうでしょう? 私はその点では、未熟であったと思います。主観的であり箇人的ですね、そこでおさまっていられるとすれば。これは所謂悲劇への否定から出発していて、そのものとしてはやはり或る健全さへの探求の一つですが。今は、精神を高め、はげまし、愛し、涙そそぎ、しかも勇敢に前へ出ようとする力を与えるものとしての悲劇を理解するし、それがかきたいと思う。