Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 289.044 caratteri · 575 schermate
五月三日
評論の要素はそこまで活々として多彩であるのにねえ。評論はただ理屈の筋でかくものだと思っているバカ、バカ。もしそういうものならば、どこから私は評論をかく感情の必然をもっているのでしょう、ねえ。その必然の詩の精髄が分らないから、つまりひとは私をまるで知らないということになってしまうわけです。
あなたはまだ足袋をはいておいでですか。きのう、ある女のひとでずっと反物を買っているひとが来て、あなたによさそうな紺ぽい単衣を見つけてホクホクです。羽織の下におきになるようなの。
セルのこと、きょうおっしゃったって? 急にあつくなって、単衣まで急行? ネルの長襦袢があつぼったいのでしょう。きょうメリンスの半襦袢お送りいたします。ネルをおかえしなさいまし。私ももう羽織を着て外は歩けなくなりました。すぐ夏ですね、素足の季節ですね。ああそれからこれは多賀ちゃんが、あなたに云おうとして云えないことですって。いろんなひととよくよく見くらべて、この頃私がほんとに奇麗と思うのですって。めでたしめでたし。
五月三日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
五月三日 第三十一信
けさ、二十四日づけのお手紙、やっとやっと到着。