Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 289.044 caratteri · 575 schermate
八月三十一日
九月三日
冨美子がきっと下で待ちかねているのよ、ではね。
八月三十一日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(国立公園富士・三保松原の写真絵はがき)〕
八月三十一日、手紙かいているひまがないので一筆。三十日のお手紙をありがとう。やっと昨夜『新女苑』のもの二十枚かき、きょうは『文芸』のつづきの仕事。きょうこの頃は、さすがのユリも殆ど憔悴せんばかりの思いです。めかたの減るのが分るような心持。ああ、この思いを知るやしらずや鬼蓼の風、というところね。こんなところに羽衣の天女は降りたのでしょうか。そして、菊池寛によれば伯龍を神経衰弱にしたのでしょうか。
九月三日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
九月三日 第六十信
虫の音がしているのに、こうやっている額に汗がにじみます、午後もあつかったことね。お話していて、いるうちに段々かーっとあつくなって、本当にあつかったこと! でも二十八度よ。二十八度だってあついときはあるのだわ。私が何だか苦しそうに汗ばかり拭くので、多賀ちゃん曰ク、きょうは湿度がたかいのでしょう、と。全くね。
多賀子、きょうから新宿の伊セ丹の裏にあるタイプライタ学校にゆくことになりました。