Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 289.044 caratteri · 575 schermate
二葉亭のこういう分裂と矛盾を、今日真面目にかえりみてわが心にきいて見る作家が果して何人いるでしょう。若しそうしたら今日の自分たちのような世わたりはきまりわるくて困るでしょうね。
私はこういう手紙折々頂きたいと思います。あなたの方に時間のゆとりがおありになるときは。たとえばヘッセについても。マンなどについても。私のほしがる心持、よくおわかりになるでしょう? 表現されるということは大切なことですね。表現するということはやっぱり大切なことです。
それから、又一つこの頃考えていることは、古典を私たちがどこまで自身の養いにしてゆくかという点です。若いひとで小説をもって来ます。素質は素直な娘さんなの、でもそのひとの川床は浅くてかたいのよ。何故でしょう? もっとそのひとのもちものは柔かく深いように思えるのに何故自身の重みだけ深まりきらないのでしょう。これについて、そういう世代の人々が川端だの横光だのジイドだのといううらなり芸術にやしなわれて来たということの結果が、こんな貧弱さとしてあらわれていると思えます。うらなり芸術独特のほり下げのあささ、ごまかされた部分のあるがままその上を修辞の力で滑走してゆく芸で、一層貧弱なのね。