Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 65.952 caratteri · 130 schermate
中西さんと云う看護婦さんが居ます。一日の行事は、朝晩体を拭くことや、間でちょいちょい薬を飲むことや、チクリと痛い想いをすることや、スエコに命の親的クダを巻かれること、及び風向きの良い時は、こうやって親切にペン代りになって貰うこと等です。スエコは本を読むのが上手くて、この間うち「シンプル」を読んでもらって居ますが、スエコが読むのと、別の人がよむのとでは、まるきり物が違ったようで、今度初めて、読方の技術の大切さを痛感しています。あなたは、読むことがお上手かしら? 上手な人は、自分を読んでいる文章の内へ決してまぎれ込ませないで、よんでいる物を独立してくっきりと浮き立たせます。(このウキタタセます、と云うようなのは、云うのにだいぶ口元が骨が折れます。何しろスエコに「この狸」と云ったら「タルキ」にきこえたそうで以来、「何だタルキのくせに」と云う流行り言葉が出来ている次第です。私がいくらかすらりとして、床の上に坐って、ロレツの怪しいタンカを切って、チラチラして物も見えない二つの目を、いやに大きく見える眼鏡の内から光らかしている姿を御想像下さい。大変見馴れないでしょう。