Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 65.952 caratteri · 130 schermate
十月二十七日
今日夏ブトンはまだ下って居りませんでした。これは用事ばかりの葉書ね。風邪はお治りになったでしょうか。
(二)今日はペンさんがわざわざ手紙の為に来てくれたけれども、くたびれていて少し熱っぽいから手紙の方は中止に致します。二十日に書いて下すった手紙に対して、私はよほどお礼を言うにも声に力が入ってしまいますから。今日の熱は別名を蒲団熱と申します。この二三日やっと冬の掛蒲団が出来て、今朝送り出したい為に、私は昨日一日「蒲団の様な顔」をしていたそうで、その疲れです。勿論明日は大丈夫。毛糸のジャケツ上下。手袋。お金。封緘。ビタス。等、明日発送します。くわしく又手紙で。十七日は奇想天外の一日でした。用事帳は早速こしらえることになりました。
十月二十七日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(代筆 封書)〕
十月二十七日(今日はああちゃんの出産予定日なり)ですけれども幸い今のところは平穏無事で丸いお腹は納っているので、私達は二階で何日ぶりかのゆっくり手紙書きを始めました。
今日はいい秋日和。空気がカラリとしてほっぺたがぽっと暖かいような日。こんなにいいお天気だと如何にもいい気持だけれども、私はまぶしくて自転車に乗って庭を廻っている太郎の顔なんかは真白な光の塊りにみえます。