Classici giapponesi con furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Leggi 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) di 田山 花袋 (たやまかたい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.097 caratteri · 312 schermate
四十二
かれは午前七時にはかならず起きて、燃ゆるような朝日の影の霜けぶりの上に昇るのを見ながら、いつも深呼吸を四五十度やるのを例にしていた。「どうして、こう気分がすぐれないんだろう。どうかしなくってはしかたがない」などと時にはみずから励ました。しかしやっぱり胃腸の工合いはよくなかった。寝汗も出た。
四十二
ある暖かい日曜に、関さんとつれだって、羽生の原という医師のもとに診てもらいに出かけた。町の横町に、黒い冠木の門があって、庭の松がこい緑を見せた。白い敷布をかけた寝台が診察室にあって、それにとなった薬局には、午前十時ごろの暖かい冬の日影のとおった硝子の向こうに、いろいろの薬剤を盛った小さい大きい瓶が棚の上に並べてあるのが見えた。医師は三十七八の髪を長くしたていねいな腰の低い人で、聴診器を耳に当てて、まず胸から腹のあたりを見た。次に、肌をぬがせて背中のあたりを見て、コツコツと軽くたたいた。
「やはり、胃腸が悪いんでしょうな」
こう言って型のごとき薬を医師はくれた。
春のような日であった。連日の好晴に、霜解けの路もおおかた乾いて、街道にはところどころ白い埃も見えた。