Classici giapponesi con furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Leggi 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) di 田山 花袋 (たやまかたい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.097 caratteri · 312 schermate
四十八
蟻、蜂、油虫、夜は名の知れぬ虫がしきりにズイズイと鳴き、蛙の声はわくようにした。
あけび、ぐみ、さぎごけ、きんぽうげ、じゅうにひとえ、たけにぐさ、きじむしろ、なんてんはぎなどを野からとって来て花壇に移した。やがて山吹が散ると、芍薬、牡丹、つつじなどが咲き始めた。
この春をかれはまったく花に熱中して暮らした。新緑をとおした日の光が洪水のように一室にみなぎりわたった。かれはそこで田原秀子にやる手紙を書き、めずらしいいろいろの花を封じ込めてやった。ひで子からも少なくとも一週に一度はかならず返事が来た。歌が書いてあったり、新体詩が書いてあったりした。わが愛するなつかしの教え子とこっちから書いてやると、あっちからは、恋しきなつかしき先生まいると書いてよこした。
四十八
このごろ移転問題が親子の間にくり返された。
学校に自炊していては不自由でもあり不経済でもある。家のつごうからいってもべつに行田に住んでいなければならぬという理由もない。父の商売の得意先もこのごろでは熊谷妻沼方面よりむしろ加須、大越、古河に多くなった。離れていて、土曜日に来るのを待つのもつらい。