Classici giapponesi con furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Leggi 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) di 田山 花袋 (たやまかたい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.097 caratteri · 312 schermate
四十三
霞につつまれて、頂の雪がおぼろげに見える両毛の山々を後ろにして、二人は話しながらゆるやかに歩いた。野の角に背を後ろに日和ぼっこをして、ブンブン糸繰り車をくっている猫背の婆さんもあった。名代の角の饂飩屋には二三人客が腰をかけて、そばの大釜からは湯気が白く立っていた。野には、日当たりのいい所には草がすでにもえて、なず菜など青々としている。関さんはところどころで、足をとめて、そろそろ芽を出し始めた草をとった。そしてそれを清三に見せた。風呂敷にも包まずに持っている清三の水薬の瓶には、野の暖かい日影がさしとおった。
四十三
「先生」
とやさしい声がした。
障子をあけると、廂髪に結って、ちょっと見ぬ間に非常に大人びた女生徒の田原ひでがにこにこと笑って立っていた。昨年の卒業生で、できのいいので評判であったが、卒業すると、すぐ浦和の師範学校に行った。高等二年生の時から清三が手がけて教えたので、ことにかれをなつかしがっている。高等四年のころに、新体詩などを作ったり和文を書いたりして清三に見せた。家はちょっとした農家で、散歩の折りに清三が寄ってみたこともあった。あまり可愛がるので、「林先生は田原さんばかり贔屓にしている」