Classici giapponesi con furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Leggi 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) di 田山 花袋 (たやまかたい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.097 caratteri · 312 schermate
九
「どうだかわからんけれど、月末だから少しはくれるだろうと思うがね」
「少しでも手伝ってもらうと助かるがな」
清三は返事をしなかった。
やがて別れるところに来た。新郷へはこれから一田圃越せば行ける。
「それじゃ気をつけてな」
「ああ」
そこには庚申塚が立っていた。禿頭の父親が猫背になって歩いて行くのと、茶色の帽子に白縞の袴をつけた清三の姿とは、長い間野の道に見えていた。
九
その夜は役場にとまった。校長を訪ねたが不在であった。かれは日記帳に、「あゝわれつひに堪へんや、あゝわれつひに田舎の一教師に埋れんとするか。明日! 明日は万事定まるべし。村会の夜の集合! 噫! 一語以て後日に寄す」と書いた。なおくわしくその心持ちを書こうと思ったが、とうてい十分に書き現わし得ようとも思えぬので、記憶にとどめておくことにした。
翌日、朝九時に学校に行ってみた。けれどその平田というのがまだいたので、一まず役場に引き返した。一時間ばかりしてまた出かけた。
今度はもうその教員はいなかった。授業はすでに始まっていた。生徒を教える教員の声が各教場からはっきりと聞こえて来る。女教員のさえた声も聞こえた。