Classici giapponesi con furigana
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いなかきょうし
田舎教師 他一編
田山 花袋
Leggi 田舎教師 他一編 (いなかきょうし) di 田山 花袋 (たやまかたい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 156.097 caratteri · 312 schermate
二
今度月給十一円でいよいよ羽生在の弥勒の小学校に出ることになったのは、まったく郁治の父親の尽力の結果である。
路のかたわらに小さな門があったと思うと、井泉村役場という札が眼にとまった、清三は車をおりて門にはいった。
「頼む」
と声をたてると、奥から小使らしい五十男が出て来た。
「助役さんは出ていらっしゃいますか」
「岸野さんかな」
と小使は眼をしょぼしょぼさせて反問した。
「ああ、そうです」
小使は名刺と視学からの手紙とを受け取って引っ込んだが、やがて清三は応接室に導かれた。応接室といっても、卓や椅子があるわけではなく、がらんとした普通の六畳で、粗末な瀬戸火鉢がまんなかに置かれてあった。
助役は肥った背の低い男で、縞の羽織を着ていた。視学からの手紙を見て、「そうですか。貴郎が林さんですか。加藤さんからこの間その話がありました。紹介状を一つ書いてあげましょう」こう言って、汚ない硯箱をとり寄せて、何かしきりに考えながら、長く黙って、一通の手紙を書いて、上に三田ヶ谷村村長石野栄造様という宛名を書いた。
「それじゃこれを弥勒の役場に持っていらっしゃい」
二
弥勒まではそこからまだ十町ほどある。