Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
Leggi 石狩川 (いしかりがわ) di 本庄 陸男 (ほんじょうむつお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 253.535 caratteri · 506 schermate
遠慮がちなしわぶきとひそかな話しごえであった。
本膳が了って一呼吸入れた。それから会席の膳にうつった。
翳りの多い灯りが白い陶器の盃に降っていた。
「今宵のご酒には、――」と誰かが云った、「ふくいくとした味がありますのう」
「まことに――」と横のものが応じた。
「いや、全く――心の喜びが舌に乗っておどるのでございましょう」
「したが、また、これはまことに結構なお吸もの」
酒宴のはじまりにはなごやかな空気が満ちた。当り障りのない言葉が、叫びにもならず囁きにもならず、親しみぶかく取り交されていた。ざわざわと揺れながら快く揺られていた。
頃を見はからって、神山外記が一段と声たかく云った。
「お流れを頂戴つかまりたく――」
正面の邦夷は自分の盃をほして、滴くをきって、近習に合図をした。ふり袖をひるがえして座のなかにいざり出たお小姓は、殿の盃を順次に家臣の前に据えるのであった。酌取りの小間使は、ひきずるような紋服の裾をさばいてそのものに蹤いた。広間の右と左に、盃は交互に移って行った。その長い間を彼らは端然と襟を立て、言葉もなく待っていた。
なみなみと注がれたこの酒は、今まで飲んだ酒の酔を呼び、また、酔いに向ってあけッ放した。