Classici giapponesi con furigana
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しほんたいへいき
私本太平記
吉川 英治
Leggi 私本太平記 (しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 116.638 caratteri · 233 schermate
「泉下の父も、さぞ冥加に思うておりましょう」
「さあ、どうかな?」と、後村上は青年らしく率直だった。
「――ひとつも正成の心のようにはなっていない。おなくなりになった先帝も地下の正成にはわびておられるかもしれん」
と、なかば母の新待賢門院を見て仰っしゃった。
廉子も、それをしおに、
「帯刀(正行)どの」
と、ことばをかけて。
「そなたもまた、親まさりのものと、みかどをはじめ、北畠の亜相もみな頼もしゅう望みをかけているのです。どうぞ命をいとしんで給もい。はやり気を出して可惜な討死などいそがぬように」
「ありがとうございまする。仰せまでもなく滅多にあだな死はとげませぬ。しかしやがてまみゆるこのたびの正面の敵は、かつてない大軍のよし。またたたかいの慣い、露の命はいつともはかり知れません。……折ふし年のさかい、東条の本営まで所用あって帰りましたので、ほど近い在所にある母とも一夜会ってまいりました。かたがたと申しては畏れあれど、またいつという時もあるやなしやわかりませぬので、かくはよそながらごきげんを拝しに参内いたした次第にございます。しかるに、はからずも親しくおことばをいただき、いちばい、心をふるって戦陣へのぞまれます」