Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Leggi 細雪 (ささめゆき) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 226.715 caratteri · 431 schermate

Aozora Bunko

まだしもあたしが脳貧血を起さなかったのは仕合せだけれど、何と云ういたわりのない、心なしの遣り方だろう。外のこととは違い、隠して隠し切れるものではないから、いずれ一度は告白しなければならないであろうが、―――それも一日も早い方がよいではあろうが、今夜のように人が全く油断し切っている時、而も深夜の部屋の中に三人で置かれて、泣くことも、怒ることも、逃げ出すことも出来ない時に、こんなことを聞かすと云うことがあるだろうか。………及ばずながら長の年月尽して来た姉の親切に対する、これが妹の道なのだろうか。………普通の思いやりがあるなら、旅行中は何があろうとも辛抱をし、家に帰って精神的にも肉体的にもあたしが平素の落ち着きを取り返した頃を見計らって、徐ろに打ち明ける、と云う風にすべきではないか。………あたしは今のこいさんに何をして貰おうとも思いはしないが、せめてそれぐらいなことを望むのは無理だろうか。………幸子は、いつの間にか朝の電車の軋り出した音を聞き、カーテンの隙間が明るくなったのに心付いたが、何処か頭の芯の方がくたびれていながら、眼は反対に冴えるばかりで、なおそのことを考えつづけた。