Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はなもかたなも

花も刀も

山本 周五郎

Leggi 花も刀も (はなもかたなも) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 89.364 caratteri · 178 schermate

Aozora Bunko

――彼はお豊を好いているな。

平八はそう思った。

幹太郎の言葉には、単に「恩を返す」というだけでなく、もうひとつ、強い愛情が含まれていた。彼はお豊を愛している。平八はそう直感し、いまは好きなようにさせておくよりしかたがあるまい、と思った。

「ではかやさんをどうする」

「ここへよこしてくれ」と、幹太郎は云った、「いちど会って、それから国へ帰らせよう、話せば妹もわかってくれるだろう」

「いま『山源』にいるのだが、出て来るわけにはいかないか」

幹太郎は「出られない」と首を振り、それから平八を見た。

「家族を江戸へ呼ぶというのは、妹が云いだしたのか」

「いや、いやそうじゃない」

平八は眼をそらし「自分の思いつきだ」と云った。そう云いながら、平八はふと自分にうしろめたさを感じた。

――平手のことを臆測したが、自分もかやを好きになり、かやに身近にいてもらいたいために、あんなことを云ったのではないか。

こう反省したのであった。

「ではそうしよう」

これから帰ってかやさんをこちらへよこそう、だが帰国されるようなら、自分が二日ばかり暇をもらって、江戸見物をさせてあげたい。なお、なにか相談することがあったら、使いをくれればすぐに来るから、そう云って平八は立ちあがった。