Classici giapponesi con furigana
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はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
Leggi 花も刀も (はなもかたなも) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 89.364 caratteri · 178 schermate
五
五
金杉に仮住居のあることは届けたが、お豊や幸坊のことには触れなかった。届けるには詳しいゆくたてを説明しなければならない。それは面倒なばかりでなく、誤解されるおそれがあるように思えたからだ。
――それに、これはまったくの私事だ。
剣法の師範として扶持は貰う、だが伊達家の家臣ではない。したがって、私生活のことまで届ける必要はない、とも考えたのであるが、いま、
「どういう関係の女だ」と、訊かれてみれば、やはり、ちょっと返答に困った。
「少し、いりくんだ事情がありますので、それは改めて申上げたいと思います」幹太郎はそう云った、「今宵お伺いしたのは野口のことをお願い申したいためで」
「それは断わる」と、惣兵衛はさえぎった、「これは家中の問題であって、たとえ野口がそこもとの門人であろうとも、道場以外のことで御心配は無用です、それよりも私は、そこもとの仮住居にいる女がどういう関係の者かいまここで聞いておきたいと思う」
「しかし、事情がちょっとこみいっておりますし」
「時間はいくらでもある、まさか一と晩で話せないほどこみいっているわけでもないだろう」
穏やかな調子ではあるが、するどい棘と皮肉が隠されているようであった。