Classici giapponesi con furigana
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はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
Leggi 花も刀も (はなもかたなも) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 89.364 caratteri · 178 schermate
「客があったのか」と、彼は幸坊に訊いた。
幸坊はそっぽを向いたまま首を振った。そこへお豊が帰って来、「おそくなってごめんなさい、ちょっと顔をなおして来たの」と云いながら、長火鉢の向うへ坐った。
幹太郎は眩しそうな眼をした。
お豊は着物も帯も(さっきのとは)違うものを着ていたし、白粉や口紅も濃く、そしてつよく香料を匂わせていた。上品とはいえないが、縹緻もめだってよくなった。体や手足などもまるみと艶を増し、胸や腰のあたりが、ずっとゆたかに肉づいていた。
「どう――きれいでしょ」と、お豊は微笑しながら、ながし眼で幹太郎を見た。
男の表情で、自分が美しくみえたことを認め、それがさも満足だという微笑である。
幹太郎は頷いた。
「うん、きれいだ」
だが危険な美しさだ、どう危険であるか、ということはわからないが――たとえば、道傍に咲いた大輪の牡丹が、たやすく誰かに折り取られるような、一種の危うい脆さをもっている、というふうに彼は思った。
「あんたが来たから、お静さんのところへ寄って、着物も帯も白粉も紅も、みんな借りちゃって、直して来たの、――気にいって」
「きれいだよ」