Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たでくうむし

蓼喰う虫

谷崎 潤一郎

Leggi 蓼喰う虫 (たでくうむし) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 110.066 caratteri · 216 schermate

Aozora Bunko

よい色を覗かせている。こう云う折には芝居の筋なぞそう気に留める必要はない。ただうっとりと人形の動くのを視つめていれば沢山である。そして見物人たちのガヤガヤ云うのが、一向邪魔にならないのみか、いろいろの音、いろいろの色彩が、万華鏡を見るように、花やかに、眼もあやに入り乱れながら、渾然とした調和を保っているのである。

「のどかですなあ。―――」

と、要はもう一ぺんその言葉を繰り返した。

「しかし人形も思いの外だよ、深雪を使っているのなんぞはそう下手でもないじゃないか」

「そうですねえ、もう少し原始的なところがあってもいい筈ですねえ」

「こう云うものは何処でやっても大体型がきまってるんだな、義太夫の文句に変りがない以上、手順が同じになる訳だから」

「淡路特有の語りかた、と云うようなものはないんでしょうか」

「聞く人が聞くと、淡路浄瑠璃と云っていくらか大阪とは違うんだそうだが、わたしなんかには分らないね」

一体、「型に篏まる」とか「型に囚われる」とか云うことを、芸道の堕落のように考える人もあるけれども、たとえばこの農民芸術の所産である人形芝居にしてからが、とにかくこれだけに見られるというのは畢竟「型」