Classici giapponesi con furigana
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たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
Leggi 蓼喰う虫 (たでくうむし) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 110.066 caratteri · 216 schermate
その六
………
「実際あれがほんとうの娼婦型だったら、僕には文句はないんだがな」
「どうだか、それもアテにはならんな。芳子のような真似をされたら君だって我慢が出来やしないぜ」
「そりゃあ、そう云っちゃあ悪いが、ほんとうに商売をしたことのある女はいかんな。それに僕は芸者タイプは好かないんだ。ハイカラな、智的な娼婦型がいいんだ」
「それにしたって、女房になってから娼婦的行為を実行されたら困るじゃないか」
「智的な奴なら、そこは自制力を持ってるだろう」
「君の云うことはどこまでも勝手だよ。そんな虫のいい注文に篏まるような女があるもんか。―――フェミニストと云う者は結局独身で通すより外仕方がないんだ、どんな女を持ったところで気に入る筈はないんだから」
「僕も実際結婚には懲りたよ。今度別れたらまあ当分は、―――或は一生貰わないでしまうかも知れない」
「そう云いながら、又貰っては失敗するのがフェミニストでもあるんだがね」
二人の会話は、仲居が給仕に這入って来たのでそれきり途切れた。
その六
朝も十時近くになって布団の中で眼を開いた美佐子は、庭の方で子供と犬とが戯れている声を、いつになくのんびりとした心持で聞いていた。