Classici giapponesi con furigana
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たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
Leggi 蓼喰う虫 (たでくうむし) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 110.066 caratteri · 216 schermate
「いつ?」
「明日か明後日あたり」
「さあ、どうしようかなあ」
それまで愉快にしゃべっていた子供の顔に、ひょいと不安の影がさした。
「行ったらいいじゃないか、弘」
「行きたいことは行きたいんだけれど、まだ宿題がやってないしなあ。………」
「だから宿題を早く済ましておしまいなさいって、この間からお母さんが云ってるじゃないの。一日かかったら出来るだろうから今日じゅうにセッセとやっておしまい。そして小父さんに連れて行ってお戴き。よ、そうおし、そうおし」
「なあに、宿題なんか汽車の中だってやれる、小父さんが手伝ってやるよ」
「幾日向うにいるんです? 小父さん」
「君の学校が始まるまでに帰る」
「何処へ泊まるの?」
「帝国ホテル」
「でも小父さんはいろいろ用がおありになるんじゃないんですか」
「まあ、いやだ、この児は。―――折角連れて行って下さるって云うのに、何のかんのって文句を云うことはないじゃないか。ほんとに、高夏さん、御迷惑でも連れて行ってやって下さいよ。二三日いないでくれた方がうるさくなくっていいんですよ」
そう云う母の眼のうちを見ながら、弘は少し青ざめた顔でにやにやしていた。