Classici giapponesi con furigana
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ていそうもんどう
貞操問答
菊池 寛
Leggi 貞操問答 (ていそうもんどう) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.240 caratteri · 399 schermate
時折、鶯が鳴き、行く手の道を、せきれいが、ヒョイヒョイと、つぶてのように横切って飛んだ。
N博士の別荘から、左に折れると、落葉松の林の間に、外人の別荘地が少し続き、やや爪先上りになった道を、峠の方へただわけもなく歩きながら、準之助氏はまだ黙っていた。
黙っている相手をどう扱っていいか、新子はやや困惑しながら、しかし自分の方から話しかける場合でないので、やっぱり黙って歩いた。
峠道にかかると、楓や樅やぶなの樹などが、空もかくれるほど枝を交していて、一そう空気がひんやりとして陽の色も暗くなった。
ポタリと頬に露が、
「雨じゃないでしょうか。」新子は立ち止った。
「いや、樹の雫ですよ。お疲れになりましたか。」と、準之助氏は立ち止って、おだやかに云った。
「いいえ。」と、新子は首を振った。
静かな空気の中で、パッとマッチの火が白く光った。準之助氏は、うまそうに煙草を吸いながら、
「いかがです、ずーっと、このまま子供達の面倒を見て下さいませんか。」と、云った。
「はア。」
新子は、準之助氏の長い無言の散歩が、何を意味していたかが、そのときハッキリと分った。
主人として、新子の釈明も求めず、また良人として妻のために弁明もすることなく――そういうことは、新子に不愉快な感情を再現させることだと知って、ただ新子の気持をいたわり、落ちつか