Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ていそうもんどう

貞操問答

菊池 寛

Leggi 貞操問答 (ていそうもんどう) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.240 caratteri · 399 schermate

Aozora Bunko

七

百四十円、百五十円に十円足りないのよ。」

「けっこうですとも。けっこうですとも、それだけあれば、御の字ですよ。」と、こんな人が、こんなにと思われるほど小池は相好を崩していた。

七

親姉妹に対する内面は悪いくせに、他人にはひどく当りがよく、他人から頼まれると、いやとはいえないような圭子だった。

「それで今日と明日とは、どうにかなります。だが、問題は明後日ですな。」という小池に、

「明後日まででしたら、私きっと後を何とか致しますわ。」と、圭子はまた引き受けてしまった。

長女としてあまやかされ、わがままに育ったから、肉親に対しては、いつも無口で不機嫌で、殊にガッチリした新子に対してなぞ、始終いらいらしがちで、お互に語り合うようなことがなかった。だが、一旦「外面」となると、快活で愛想がよく、不景気のフの字も見せず、万事いやな顔などせずきれいごとで行こうという、お嬢さまの圭子だった。

その夜帰りのタクシの中で思うよう(お母さまに、もう一度おねだりして、ダメだったら……)。

圭子は、今朝判箱を取るために、用箪笥を開けたとき、甲斐絹のごく古風な信玄袋がはいっているのを、チラリと見た。