Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ていそうもんどう

貞操問答

菊池 寛

Leggi 貞操問答 (ていそうもんどう) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.240 caratteri · 399 schermate

Aozora Bunko

四

だが、晩餐までは、トランプや、新ルードや、カロムなどでさわぎ廻り、晩餐がすんでからは、レコードをかけてダンスが始まったので、時間はグングン早く進んだ。

美沢が、明朝八時から練習があるので、七時前に起きなければならぬのを思い出して、急に暇を告げた時は、九時を少し廻っていた。

もう、美和子を送って、新子に会おうなどという考えは捨てていた。

だのに、美和子は美沢が、帰りかけたのを早くも見つけて、

「美沢さん。帰っちゃうの。私も、帰るから、送って頂戴ね。」先刻の約束をちゃんと覚えていて、みんなの前で、宣言した。

美和子は、お友達にからかわれながら、美沢に寄り添ってその家を辞した。

四

お友達のひやかしや、いろいろなお別れの言葉を背中に聞き流して外へ出ると、まだぬか雨がふりしきっていて、七月とは思えないほどの、うすら寒い夜であった。

「私の傘つぼめちゃうわ。貴君のに、入れてね。」美和子は、自分の小さい洋傘をつぼめると、美沢の手にすがって来た。

小柄で、まだ子供子供している上に、愛らしくはあるが、色っぽくはないので、そんなに近々と身を寄せられても、てれくさくないばかりか、肩に手をかけて歩いても、恥しくないほど、時々と愉快である。