Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Leggi 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.548 caratteri · 47 schermate

Aozora Bunko

角三は眼をつむって云った、「わかりました、どうか朝になったらお願いします」

去定は登を見て立ちあがった。登は付いていてやろうかと思ったが、去定の眼つきで、その必要がないことを悟り、立ちあがってその病室を出た。去定は自分の部屋へゆこうとしていたが、登の出て来るのを見ると、「済まないが握り飯を持って来るように云ってくれ」と云った。その言葉で、急に登も空腹だったことに気づき、いそいで廊下口から賄所のほうへ出ていった。

食堂は八時に閉まるので、それ以後は賄所へいくよりしかたがなかったのである。登がはいっていくと、賄所も灯が一つ残っているだけだったが、うす暗くてがらんと広い土間に、男が一人、箱のような物を作ってい、その脇にお雪が立って、それを眺めていた。登はお雪に二人前の握り飯を頼みながら、男が猪之であることに気づいた。

「猪之じゃないか」と登が呼びかけた、「ばかに精をだすな、なにをやってるんだ」

「へえ、なにちょっとその」猪之はあいまいに口を濁した、「先生がたもこんなじぶんまでたいへんですね、外は寒いでしょう」

「話をそらすな、なにを作ってるんだ」

「その、おまるの腰掛なんです」