Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Leggi 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.548 caratteri · 47 schermate

Aozora Bunko

そう云いながら猪之は赤くなった。

「おまるの腰掛だって」

「御存じでしょう、おゆみさんていう頭のおかしな娘さん」と猪之が云った、「あの人がすっかり弱っちまって、おまるを使うにも躯がふらふらするっていうんです、それで腰掛を拵えたら幾らからくだろうっていうもんで、ためしに作ってみているんです」

「そうか」と登が云った、「お杉に頼まれたんだな」

「あっしの役ですからね」と猪之はひどくいきごんだ高い声で云った、「こういう仕事をする約束でお世話になってるんですから、誰に頼まれたからするってわけのもんじゃねえ、へんなこと云わねえでおくんなさい」

「気に障ったのか」と登は笑った、「それは悪かった、勘弁してくれ」

「とんでもねえ、そんな」猪之はまた赤くなり、まごついたように頭を掻いた、「先生にあやまられたりしちゃあぼくめんがねえ、へえ、大きな口をたたいて済みません、あっしこそ勘弁しておくんなさい」

「お互いに礼儀は正しいわけだ」と云って、登はまた笑った、「お杉によろしく云ってくれ」

猪之はやけに金槌の音をさせた。登はお雪から手提げの籠を受取り、あとから茶を持っていく、というのを聞きながら賄所を出た。