Classici giapponesi con furigana
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きんせいかいじんでん
近世快人伝
夢野 久作
Leggi 近世快人伝 (きんせいかいじんでん) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 79.469 caratteri · 157 schermate
耳を澄まして運を天に任かせておるその恐ろしさ。エレベータの中で借金取りに出会うたようなもので……ヘエ……。
それでもお蔭様で生き上りますと又、現金なもので、折角、思い知った親の恩も何も忘れて博奕は打つ……××はする……。
……ヘエ。その××ですか。これはどうも商売の奥の手で、この手を使わぬ奴は人気が立たず。魚類が売れません。まあ云うてみればこの奥の手を持たん奴は魚売の仲間に這入らんようなもので……ヘヘヘ。
その頃、私はまあだ問屋の糶台に座らせられません。禿頭の親爺がピンピンして頑張っておりましたので……その親父が引いてくれた魚類の荷籠に天秤棒を突込んで、母親が洗濯してくれた袢纏一枚、草鞋一足、赤褌一本で、雨風を蹴破ってワアッと飛出します。どこの町でも魚類売りは行商人の花形役者で……早乙女が採った早苗のように頭の天頂に手拭をチョット捲き付けて、
『ウワ――イ。ナマカイランソ(鰯の事)、ウワ――アアイイ……』
と横筋違に往来ば突抜けて行きます。号外と同じ事で、この触声の調子一つで売れ工合が違いますし、情婦の出来工合が違いますケニ一生懸命の死物狂いで青天井を向いて叫びます。