Classici giapponesi con furigana
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きんろう
金狼
久生 十蘭
Leggi 金狼 (きんろう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 89.438 caratteri · 179 schermate
……こんども台湾なんぞじゃない、関西へ飛んで行ったんだ。……ひとりは今朝捕まったが、共犯の中村はまだ関西周辺を逃げまわっているというから……」
「……なるほど、そう聞けば尤もらしいところもあるが、しかし……ワイフをつれて捕物にむかうなんてえのは前代未聞だね」
「このごろは警察も開化てらあね。そんなこともあると思えばいいじゃないか。……だがな、乾老……久我はともかく、あの葵ってやつこそ曲者なんだぜ。……那須にだけは話したが、あいつは絲満が殺られた晩の午前一時ごろ、非常梯子をつたって、そっと戸外へ抜けだしてるんだ。……ちょうど葵の下の部屋におれの大学時代の友達がいる。そいつが見つけて、妙なこともあるもんだと、おれに話してくれたんだ。……ふふん、刑事の嬶が人殺しじゃ、こりゃ、すこし行きすぎてると思ってねえ……」
乾は、へえ、と顎をひいて、
「そりゃ、……ほ、ほんとうに葵だったのかね?」
「ほんとう、たあなんだ。……葵がひとりしかいない部屋から女が出てくれあ、それあ葵にきまってるだろうじゃないか」
「あんたそれを警察でもいったのかね」
「だれがそんなお節介をするもんか。