Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 猿回し

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 125.671 caratteri · 252 schermate

Aozora Bunko

五

と間もなく庭の方から、大きな声がしました。

「た、大変ッ」

下女のお角の、打ち割ったような絶叫です。

「どうした、どうした」

誰やらが二階の障子を開けました。

「奇月さんが、大変ッ」

下女のお角は応えます。

それッ――といつかの晩のように、懲り性もない人間の奔流が、梯子段を逆落しに、下の庭にこぼれ落ちました。

「灯りだ」

主人岩太郎の声が、突っ走ると、一度家の中に入ったお角は、手燭を取って庭へ戻って来ました。

「あッ」

「これは?」

野幇間の奇月宗匠は、庭の上へ蛙のように叩きのめされた上、手頃の石灯籠を首筋から背中に背負って、血へどを吐いて死んで居たのです。

いや、まだ虫の息と体温はあったかも知れませんが、二、三人寄ってたかって抱き起す間に、一言も口をきかずに、僅かに残る虫の息も絶えてしまったのです。

「医者へ」

主人岩太郎が声を絞りましたが、小梅の寮では、急場の医者も間に合わず、間に合ったところで、二階から落ちて、庭石で頭を打った上、弾みを喰って倒れた石灯籠を背負わされては、奇月宗匠一とたまりもあるわけは無かったのです。

五

この報告を、平次が八五郎から聴いたのは、翌る日の朝でした。