Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 125.671 caratteri · 252 schermate
銭形平次捕物控
【第一回】
一
【第一回】
一
「親分、近頃は滅多に両国へも行きませんね」
八五郎は相変らず何んかネタを持って来た様子です。立てっ続けに煙草を五、六服、鉄拐仙人のように、小鼻をふくらませて天井を睨んで、さてと言った調子でプレリュードに取かかるのです。
「行かないよ。俺が両国へ行くのを、お静がひどく嫌がるんだ。昔の朋輩が多勢居るところへ、亭主野郎が十手なんか持って行くのが気がさすんだろう」
平次は晩秋の薄陽を浴びて、縁側に日南ぼっこをしながら、八五郎の話を背中に聴いているのでした。
「つまらねえ遠慮ですね。――たまには行って見て下さいよ、両国は江戸の繁昌を集めたようなもので、年一度と言い度いが、実は一と月も見ないと、まるっ切り変ってしまいますぜ」
「また、ふざけた見世物か何んかあるんだろう」
「そんなものには驚きゃしませんが、あっしが肝を潰したのは、――」
「広小路から橋を渡り切るまでに、昔の情婦に七人も逢ったって話なら、もう三度も聴いたよ」
「そいつは危ない。四度目を御披露するところでしたよ」
「これからもあることだ、帳面を拵えて付けて置くんだな。――もっとも情婦と言ったところで八のは岡惚れだ、向う様じゃ何んにも知りやしない。