Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 猿回し

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 125.671 caratteri · 252 schermate

Aozora Bunko

四

「お、良念、無事に帰ったか」

老僧が良念を迎える間に、

「困ったことになったな、平次」

「伊藤様、これは飛んでもない手違いでした」

平次と伊藤治太夫は顔見合せた。

四

騒ぎの中にその夜は明けました。千両の祠堂金は兎も角、そのままでは伊藤治太夫も銭形平次も、世間へ顔向けがなりません。

黒旋風の身扮は、尻切半纏に、野暮っ度い草色の股引を穿き、手拭で頬被りをして居りましたが、髷は野郎頭で、言葉は町人言葉、色が浅黒くて、背の小作りな男という外は何んにもわかりません。

小柄ではあったが精力的なのと、匕首を一本持った手が、無気味に躍動して、血に渇く毒蛇のような凄味があり、修業の積んだ庵主も役僧も無抵抗に縛られる外は無かったというのです。

あの厳重な包囲陣を潜って、曲者は何処から入って来たか、夜っぴて捜してそれはわかりませんでしたが、朝になってから、床下へ潜り込んだ八五郎が――

「床の荒い格子の側に、何んか人間の踏みつけた足跡があり、その格子はとても人間は潜れませんが、朝の日の這い込むのに透して見ると、獣の毛が少し付いて居ましたよ」

と一とつまみの、灰色がかった黄色の毛を持って来て見せるのです。