Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 猿回し

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控 猿回し (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 125.671 caratteri · 252 schermate

Aozora Bunko

四

「いや、其処までは手が届きませんよ」

「それは惜しいな、今からでも一人行って見張ってはどうだ」

「手がありませんよ、宇佐美さん」

「それは困る」

宇佐美敬太郎は自分のことのように気を揉みますが、平次は大して問題にもして居ない様子です。

四

それから半刻、やがて亥刻半(十一時)と思う時分でした。

「泥棒、泥棒」

火の付いたような女の絶叫が、淡路屋の家の中から起ったのです。

「それッ」

待機して居た平次と八五郎と、二人の下っ引は、表裏から殺到しましたが、店も裏も、内から厳重に締っていて、押しても叩いてもビクともすることではありません。

「叩き破るのだ」

平次の声に、二人の下っ引は、力を併せて店の戸を押しましたが、質屋の表口は、城郭のように厳重で、そんなことでは貧乏ゆるぎもしてくれません。

「銭形の親分、横手の窓が開いてるじゃ無いか」

気をつけてくれたのは、一足後からやってきた浪人者の宇佐美敬太郎でした。見ると土蔵との庇合い、三尺四方の息抜の窓が一つ、夜空に口を開けて、無気味な闇を嘗めて居るではありませんか。

「其処から入れ」

「よしッ」

此時飛付いて来たのは八五郎でした。