Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.082 caratteri · 257 schermate
老母お槇の知恵のよく廻るのに、平次は褒めてやり度いような心持でした。恐らくたった一人の、杖とも柱とも思う娘お園を殺された、大きな悲歎の底から、一世一代の知恵の灯が燃え立ったのでしょう。
「そんな事もあるだろうな」
平次は、それ以上のことまで考えて居るのですが、四方の聴く耳に遠慮して、お槇の報告を軽くいなしました。
「でも、私は、みす/\娘を殺した相手が居るのに、それをどうすることも出来ないようでは、娘も行くところへ行けないと思いまして――」
お槇は母親の愚に返って、サメ/″\と泣くのです。
「まァ、心配しない方がよかろう、人を二人まで殺して、百まで生きていられる筈は無い――ところで、お園を怨んでいた者が、二人や三人はあったようだが」
「それは、あったことでしょう、あの通りの気象者で、どうかすると、産みの母親の私でさえ、側へ寄れないこともあった位ですから」
「御浪人の阿星右太五郎さんも怨んでいたし、やくざ者の投げ節の小三郎も怨んでいたかも知れない。商売敵の師匠のお組だって、好い心持でなかったことだろう」
「そう言えば、夕立の来る前、お組さんと掴み合いの喧嘩をして居たそうですが、――お組さんの株を取って、踊りの師匠の看板をあげた時から、娘とあの人は敵同士のようなものでした。