Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.082 caratteri · 257 schermate

Aozora Bunko

二

それは思いも寄らぬ事実でした。平次もまさに、開いた口が塞がらないほどの驚きです。

「それを、誰が話したのだ」

「番頭の弥八ですよ、店中でこの内緒事を知って居るのは、番頭の弥八と当人のお夏だけ、あとは死んだ内儀を始め誰も知りやしません」

「それをどうして弥八が、今更打明ける気になったのだ」

平次は弥八に問いかけるような調子で、由良松に問い寄るのです。

「そいつを教えてはならない内儀が、先刻とう/\息を引取ったからですよ。内儀さんさえ死んでしまえば、隠して置く張合も無いようなわけで――」

「張合が無い?」

「弥八はそれをネタに、亡くなった先代の主人源左衛門から、しこたま貰って居た様子です」

こう聴くと、お夏は妾腹ながら、三人娘の一番の姉で、運よく行けば佐渡屋の跡取にもなれるわけで、内儀のお兼を始め、二人の異腹の妹を殺す動機は充分にあるわけです。

「でもあの娘は」

八五郎は長んがい顎を突出しました。あの色白でポチャ/\して、小股の切れ上った娘――その癖妙に冷たいところのある娘が大量の人殺しなどを企てようとは、八五郎にはどうしても信じられなかったのです。

二

奥の一と間には、線香の匂を棚引かせて、番頭の弥八が妹娘のお信や、下女のお六に指図をしながら、女主人のお兼の新仏姿を調えて居りました。