Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.082 caratteri · 257 schermate
おっと承知の助、皆まで言うな――か何んかで、大呑込で引受けたのは、此間親分に頼まれた、あの病人の身体のことでしょう」
「フーム」
「中風で口もきけない病人と、半日睨めっこをして暮すのはあまり楽じゃないが、その代りお比奈坊にイヤな思いをさせずに、何も彼も調べられるでしょう。――先ず第一にあっしはあのよい/\の釜六に行水を使わせることにしましたよ」
「思い付きだな」
「ところが、やって見て驚きましたよ、大釜に一杯湯を沸して、流しに盥を置いて、病人を床から牛蒡抜きにつれ出して見ましたが、臭いの臭くないのって――」
「若い娘一人の手じゃ、そんなに度々行水も使わせられなかったことだろうよ」
平次は妙なところへ同情して居ります。
「兎も角も、ざっと洗って、元の床へ納めてやりましたがね、あの病人は誰が何んと言ったって、正真正銘の、交りっ気無しの病人ですよ。右半身は石っころのようになって居るし、眼も耳も疎い上に、口も利けやしません――それでも久し振りに身体を洗ってもらって良い心持になったと見えて、口をモグモグさせながら、片手拝みにあっしを拝んで居ましたよ」
「飛んだ功徳だったな、いずれ良い酬いがあるよ」