Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.082 caratteri · 257 schermate

Aozora Bunko

「美人礼讃」では、決して人後に落ちない江戸っ子達が、急に騒ぎ出したのも無理のないことでした。五人、六人と、若い男を束にして、恋患いさせたという、八五郎の報告も決して嘘では無かったでしょう。

「お嬢さんですかえ」

平次はこう訊いて見たい衝動をどうすることも出来なかったのです。並外れに美しいものに対する、平次の好奇心の、ささやかな現われだったかも知れません。

「――」

娘は黙ってうなずきました。

「昨夜何んか気のついたことはありませんか、人の声とか、物音とか」

「いえ、少しも」

娘は自衛的に表情を引緊めました。こう答える声は、顔にも姿にも似ぬ、少し錆のある女声最低音、平次は妙な幻滅をさえ感じました。

「殺された三之助を、お嬢さんは知っていることでしょうな」

「よく知って居ります、でも」

お艶は言い憎そうに、可愛らしい顎を襟に埋めました。

「でも?」

「あの人は怖かったんですもの」

お艶が答えるのは、それが精一杯でした。平次が次の問を用意する前に、娘の姿はスル/\と、障子の蔭へ隠れたのは、せんすべも無いことでした。

「あの通り、年は十九でも、まだほんの子供で」

振り返ると主人の鹿右衛門は、揉み手をしながら、娘のために弁じて居るのです。