Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.082 caratteri · 257 schermate

Aozora Bunko

五

五

「心当りはありませんかえ、江島屋さん」

平次は此父親から先ず手ぐる外はありませんでした。

「心当りと申しますと」

「薊の三之助は、うるさくお嬢さんに付き纏って居たということだが――」

「それはもう、困ったことでございました。物を言ってわかる人間ではありませんし、こればかりは金づくで追っ払うわけにも行かず、私も娘も、閉口いたして居りました」

鹿右衛門はツク/″\言うのです。

「ところで、お嬢さんへ絡みつくのは、二人や三人では無かったということだが、三之助と張り合って、一番うるさくしたのは、誰で?」

「さア、誰と申して」

一向に要領を得させません。五十年配の苦労人らしい遠慮でしょう。

「ところで、江島屋の跡取りはどうなるんです」

「与茂吉と申す養子でございます。」

それははっきりして居りました。

「いずれお嬢さんと祝言させることでしょうな」

「そう言うことになると思いますが、何分娘が厄で」

女の十九の厄年が、どんなに重大なものか、徳川時代の空気に触れて見なければ、これは呑込めないほどの意味を持つのです。

「早く祝言させて、世間へも披露したら、こんな騒ぎが起らずに済んだことだろう」