Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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にしきぎ

錦木

宮本 百合子

Leggi 錦木 (にしきぎ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.481 caratteri · 103 schermate

Aozora Bunko

私は只生れながらに一生光君さまの召使として理性の力で悲しいつらい事をたえて暮して行かなければならないものに定まって居たのだと思いきめて居りました。そしたら、今日、この悲しい、はかない事に出来わしました。私はこれも運命と存じて居ります。私の今まで思って居りました事は光君さまの御かくれと一緒に弔むられてしまった事でございますが、私は思った事がございますので、明らさまに恥かしさをしのんで申しあげます。女としてあまり大胆すぎる事で又あまり露骨すぎて居りましょうけれ共私は今日となって心にわだかまるかくし事のあるのは、と存じましたので……、私は、この愚な女らしくない女を人より以上に御いたわり下さいますのにすがって御心のひろい殿に申しあげたのでございます。どうぞ御ゆるし下さいまして……いつかは御わびをする時もあろうかと存じます」

斯んな風にはっきりと書いてあった。殿はなんとも云うことは出来なかった。今時の女、それにまだ二十にもならない女が大胆に自分の思って居ることを人に告げる、その事も主人の弟を思って居た事を主に告げる、あまり大胆な仕業であるが――

殿は斯う思って迷った、けれ共常からどこか毛色の変った学問の深い考のある女の事だから何か感じた事だろうと思って居た。