Classici giapponesi con furigana
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なるとひちょう
鳴門秘帖(三)
吉川 英治
Leggi 鳴門秘帖(三) (なるとひちょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 261.216 caratteri · 521 schermate
「あるだろうじゃないか、お母さんやら、叔父さんやら」
「冗談は置いておくんなさい。皺のよったお袋や叔父さんに、そこまでの情愛があるもんですか。血の気の多い年頃にゃ、それを捨てても男のほうへ突ッ走るじゃござんせんか。ははあ……読めましたぜ、お米の御方」
「勝手に邪推をお廻しよ」
「エエ、すっかり神易を占てました。筮竹はないが宅助の眼易というやつで。――この眼易の眼力で、グイと卦面をにらんでみると、あなたが大阪へ来たがった原因は、死ぬほど会いたいと思っている人間がどこかにいるに違えねえ。え、どうでしょう、この判断は?」
「そりゃ、いないとも限るまいさ」
「ふふん。しゃあしゃあと仰せられましたね。いよいよ不貞くされの捨て鉢の、さらにヤケのやん八というやつで、この宅助を怒らせようとなさいますか。そして、阿波へ帰るのはイヤじゃイヤじゃと駄々をこねようとなさいますか。――どッこい宅助は怒りませんテ。はい、頭を打ちたければ頭、足をなめろとおっしゃれば足もなめます。なあに、わずか少しの辛抱で、無事に、もう一度連れ戻りさえすれば、旦那様から存分な褒美をねだる権利があるんで――一生扶持ばなれをしねえ仕事、それくらいな我慢がなくっちゃ、猫と女の番人はできねえ」