Classici giapponesi con furigana
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わし
鷲
岡本 綺堂
Leggi 鷲 (わし) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.476 caratteri · 290 schermate
」と、久助は訊いた。
「浜におります漁師の角蔵でござります。」
「むむ、角蔵か。」
「女房と二人づれで参りました。」
なんと返事をしたものかと、久助は無言で主人の顔色を窺うと、弥太郎は頭をふった。
「今は御用の出先だ。逢ってはいられない。又次郎、おまえが逢ってやれ。」
言いすてて弥太郎は陣笠をかぶって、すたすたと表へ出かかると、大きい椿のかげから四十五、六の小作りの男が赭黒い顔を出して、小腰をかがめながら丁寧に一礼した。そのあとに続くのはかのお豊で、これもうやうやしく頭をさげた。それを見返って、弥太郎はただひと言いった。
「みんな達者でいいな。」
「おめえ達は若旦那と話して行きねえ。」と、久助は言った。「旦那さまはこれからお出かけだ。」
挨拶はそれだけで、主従はそのまま足早に出て行った。弥太郎は遠眼鏡を持っていた。久助は鉄砲をかついでいた。そのうしろ姿を見送って、お豊の夫婦はさらに作男にも挨拶して、恐る恐るに座敷の縁先へ廻ってゆくと、それを待つように又次郎は縁に腰をかけていた。
「やあ、角蔵か。ひさし振りだな。お豊も来たか。」と、又次郎は笑いながら声をかけた。