Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ボロやのしゅんじゅう

ボロ家の春秋

梅崎 春生

Leggi ボロ家の春秋 (ボロやのしゅんじゅう) di 梅崎 春生 (うめざきはるお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.411 caratteri · 263 schermate

Aozora Bunko

あんな福耳を持ってるからつい信用してしくじった、と僕が嘆くと、

「そうだ。そうだ。僕もあのキクラゲ耳にはすっかりだまされた」

と野呂が熱っぽく共鳴する。果ては、あんなインチキ野郎が得をして、自分みたいな正直者が損をする、神も仏もないものか、と野呂が男泣きに泣き出す有様で、さすがの僕も始末に困りました。さんざんなだめ、やっと泣き止んで貰って、これより当分同居することだから、お互いに理想的同居人たるべく努力しようと盟い合い、西東にわかれてやっと寝に就きました。その夜僕は、自分の手が疣だらけになった夢を見ました。

さて翌日、野呂ははやばやと起き出し、台所で派手な音を立ててうがいをした。その音で僕は目が覚めました。それから野呂は飯をたき、庭で体操をして、弁当をかかえて出かけようとする。どこに行くんだと訊ねてみますと、学校に行くんだと言う。よく聞いてみると、野呂の職業は中学の国語教師なのでした。

「今晩は陳さんのタロコ亭に行くんだから、間に合うように帰って来てお呉れよ」

と僕は念を押しました。

野呂が出て行ったあと、僕はかねて考えていた画塾の塾生募集のポスターを十枚ばかりつくり、そして近所の電信柱に貼って廻りました。