Classici giapponesi con furigana
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さんしろう
三四郎
Leggi 三四郎 (さんしろう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 169.765 caratteri · 343 schermate
先生は書斎においでですからと言いながら、手を休めずに、膳椀を洗っている。今晩食がすんだばかりのところらしい。
三四郎は茶の間を通り抜けて、廊下伝いに書斎の入口まで来た。戸があいている。中から「おい」と人を呼ぶ声がする。三四郎は敷居のうちへはいった。先生は机に向かっている。机の上には何があるかわからない。高い背が研究を隠している。三四郎は入口に近くすわって、
「御勉強ですか」と丁寧に聞いた。先生は顔をうしろへねじ向けた。髭の影が不明瞭にもじゃもじゃしている。写真版で見ただれかの肖像に似ている。
「やあ、与次郎かと思ったら、君ですか、失敬した」と言って、席を立った。机の上には筆と紙がある。先生は何か書いていた。与次郎の話に、うちの先生は時々何か書いている。しかし何を書いているんだか、ほかの者が読んでもちっともわからない。生きているうちに、大著述にでもまとめられれば結構だが、あれで死んでしまっちゃあ、反古がたまるばかりだ。じつにつまらない。と嘆息していたことがある。三四郎は広田の机の上を見て、すぐ与次郎の話を思い出した。
「おじゃまなら帰ります。べつだんの用事でもありません」