Classici giapponesi con furigana
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ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
Leggi 五瓣の椿 (ごべんのつばき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.721 caratteri · 296 schermate
二
「あたしが饒舌らないとでも思うのかい」
「饒舌るまえに考えてみるんだな」と彼は云った、「頭へ血ののぼった女が、やきもち半分に訴え出ることを、いちいちお上で取り上げるかどうか、――きさまのようなばか者にはわかるまいが、世の中の仕組は二一天作が七にもなれば三にも九にもなるんだ、現にこうして、おれは得石先生と立てられている、病家には旗本御家人衆もあるんだ、よく覚えておけ」
二
得石は外へ出ると、京橋まで歩いて駕籠をひろい、「永代まで」と云って乗った。
「かまきりの斧ということもあるんだな」駕籠の中で彼は呟いた、「踏んでも蹴っても音をあげたためしのない女だったが、――ふん、本当のことを知ったら、もう一と騒ぎやるだろうな」
駕籠を永代橋の袂でおり、得石は河岸の道を右のほうへいった。そこは大川端町というところで、舟宿や釣道具屋などのほかは漁師の家がたてこんでおり、堀のほうには舟を繋ぐ杭が、片方だけずらっと列をなしている。いまは漁に出ているのだろう、繋がれている舟は数えるほどしかなく、堀端の白く乾いた道の上で、幾組かの子供たちが遊んでいた。――大川に面した町の向う角に「海石」