Classici giapponesi con furigana
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ごべんのつばき
五瓣の椿
山本 周五郎
Leggi 五瓣の椿 (ごべんのつばき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 149.721 caratteri · 296 schermate
」
「私が苦労するのは私の勝手ですもの、そんなことあなたに心配していただかなくってもようございますわ」
「それを水臭いというんだ、その水臭い気持が私にはたまらないんだよ、およねさん」と彼は坐り直したような声で云った、「たった一つだけ訊くが、おまえさんはただこうして逢うだけでいいのかい」
およねはやわらかに眼をそらした。
「およねさんも十二や十三の小娘じゃあない、もし本当に私が好きで逢っているなら、いつまでこんなままごとみたような逢いかたをしていられるわけがない筈だ」と源次郎は云った、「――もしも、ただこんなことをしているだけで満足だとしたら、私を好きだというのは本当じゃあないと思う」
「あなたにはおわかりにならないのよ」
「私とおまえは男と女なんだよ」
「あなたはわからないのね」およねは聞きとりにくいほど低い声で囁いた、「――御夫婦になれるわけじゃないんですもの、女は男の方のように、そうあっさりふみきれるものじゃありませんわ」
「そんなふうに云われると一言もないけれど、男にはこういう辛抱ほど苦しいことはないんだからね」
「あたしだって辛いわ」とおよねは囁いた、「――本当はあたし、今夜は……」