Classici giapponesi con furigana
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しゅっけとそのでし
出家とその弟子
倉田 百三
Leggi 出家とその弟子 (しゅっけとそのでし) di 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 121.812 caratteri · 248 schermate
そして幾度もありがたいといっていられました。
浅香 このあいだの夜はいい都合だったのね。私はふと門口に出て見たら、あのかたが月あかりのなかをうろうろしていらっしゃるのよ。私はいとしくて涙が出てよ。駆けって行って、かえでさんに何か用事はありませんかと言ったら、どうぞこれを頼みますと言って手紙を渡して、あわてて、向こうへ行っておしまいなすったわ。
かえで あの時あなたに会わなかったら、夜通しでもうろうろしていただろうと言っていらっしゃいました。
浅香 あのかたなら、そうしかねなくってよ。(ほほえむ)だけど私はいいお役目が当たったものね。
かえで まあ。あんなことをおっしゃる。(ほほえむ)
浅香 (急に暗い顔をする)これから後はどうして会う気なの。
かえで (心配そうな顔をする)さあ。私はそれが心配でならないのよ。おかあさんは今晩の権幕では、もうちょっとも外へは出してくれますまい。といって唯円様は宅へ来てくださる事はできないのだし。
浅香 お銭の都合をつけなくてはいけますまい。
かえで 唯円様はいくらお銭があっても、私はあのかたにだけはお銭で買われたくはないのよ。私はお客とは思いません。