Classici giapponesi con furigana
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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Leggi 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) di 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 290.735 caratteri · 566 schermate
この辺でもかかる女を不吉とし、殊に農家は不毛を忌む故、そんな者を娶れば隣家までも収穫を損ずとて甚だ嫌う。これらは真に一笑に堪えた迷信と看過してやまんが、今日までも西洋の医家に頑説多い。
例せば、面首を以て愛重された男子はことごとく柔弱萎縮しおわると説く者甚だ多きも、ハンニバル、シーザル等かつて若契を経た偉人泰西に多く、「蘭丸をいっち惜しがる本能寺」、「佐吉めは出征をしたと和尚いい」、わが邦にも美童の末大名を馳せた者少なからず。それにかかわらず安陵竜陽みな凶終するよう論ずるは、性慾顛倒の不男や、靨を売って活計する色子野郎ばかりに眼を曝した僻論じゃ。この事は英国の詩人シモンズの『近世道義学の一問題』(一八九六年)、明治四十二年『大阪毎日』の連載した蕪城生の「不識庵と幾山」によく論じあった。それと等しく婦人の不毛は必ず子なしと説く者西洋に少なからぬが、これも事実と差う場合がある。予今時のいわゆる人種改良とか善胎学とか唱うる目的は至って結構だが、その基礎とさるる材料が甚だ危殆なるに呆れ、年来潜心その蒐集を事とし、不毛一件ごときも一大問題としていかな瑣聞をも蔑せず。