Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate

Aozora Bunko

と、深雪に、お辞儀してから

「手前、お初にお目にかかりやす。ええ、仙波の御旦那様、手前――」

庄吉は、膝まで、手を下ろして

「巾着切の、庄吉と申しやす。至って、正直な――」

「あっちへ参れ。用は無い。行けっ」

八郎太が、静かにいった。庄吉は、その声と共に、さっと、身体を立てて、八郎太と正面から、顔を合せた。

「御尤も様でございます。すぐ、あちらへ参ゆますが、一言だけ、聞いて頂きたいもんで。御存じの通り、若旦那に、この手首を――ねえ、小太郎さん――手首を折られまして」

八郎太は、じっと、庄吉の顔を見た。

「実は――本当のことを申しますと、怨みがございます。何んしろ、巾着切が、手首を折られちゃ、上ったりでげすから――人間誰だって、手首を折られて怨まん奴はござんせん。ねえ旦那、随分怨んでましたよ。今だって、こん畜生、ひでえ目に逢いやがるがいいや、と――これは、本当の話で、正直な、気持を申し上げているんでげすが――然し、でござんす、旦那、このお嬢さんにゃあ、怨みはござんせん。その怨みも、縁も無い方が、こんなにおなりなさり奉ったのを、あっしが、黙って見ておれるか、おれんか? 何うでげす、旦那、江戸っ子なら、判りまさあ、見ておれるものじゃござんせん。