Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なんごくたいへいき

南国太平記

直木 三十五

Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate

Aozora Bunko

犬は、脚を縮めて、ミイラの如くかたくなってころがった。疵は頸にだけでなく、胸まで切裂かれてあった。

「どこの奴だか、ひどいことをするでねえか、御侍様、昨夜方、そこの岩んとこで、焚火する奴があっての、こいつが見つけて吠えて行ったまま戻って来ねえで――」

猟師は、うつむいて涙声になった。

「長い間、忠義にしてくれた犬だもんだから、庭へでも埋めてやりてえと、こうして持って戻りますところだよ」

玄白斎は、じっと、犬を眺めていたが

「よく、葬ってやるがよい」

玄白斎は、仁十郎に目配せして、また、草叢をたたきながら歩き出した。

「気をつけて行かっし――天狗様かも知れねえ」

猟師は、草の中に手をついて、二人に、御叩頭をした。

細径は、急ではないが、登りになった。玄白斎は、うつむいて、杖を力に――だが、目だけは、左右の草叢に、そそがれていた。小一町登ると、左手に蒼空が、果てし無く拡がって、杉の老幹が矗々と聳えていた。そこは狭いが、平地があって、谷間へ突出した岩が、うずくまっていた。

大きく呼吸をして、玄白斎は、腰を延すと、杉の間から、藍碧に開展している鹿児島湾へ、微笑して