Classici giapponesi con furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate
(大事の時に、何んという淫らな心――)
と、自分を叱ったが、いくら、叱りつけても、滑らかな、暖かい乙女の肌が、その時の感じを喜んでいて、益満の臭が、鮮かに、頭の中へ、蘇ってくるように感じた。
そう思って、俯向いていると、月丸が、じっと、自分の顔を凝視めているような気がした。そして
(白粉が、斑なのかしら)
と、思うと、何んだか、それ一つで、月丸が、自分に愛想をつかすようにも思えた。
「静かだ」
月丸が、呟いた。綱手は
「本当に、静かでございますこと」
と、云いたかったが、いおうとしている内に、いいそびれてしまった。
(もう一度、何か、云ってくれたなら――)
綱手が、こう思った時
「綱手殿」
綱手が、顔を上げると、月丸が、正面から眺めていた。綱手は、俯向いた。
「はい」
「再び、お身を悲しませるようなものじゃが、八郎太殿はお亡くなりになったし、小太郎殿は――よし、命を取り止むるに致せ、あの深手では、不具――悪く参れば、不具とならんも計り難いし、又、腕の筋一つちがっても、二度とは、刀のとれんこともあるし――七瀬殿のお心、お身の気持を察しると――何んとも申しようも無い。