Classici giapponesi con furigana
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なんごくたいへいき
南国太平記
直木 三十五
Leggi 南国太平記 (なんごくたいへいき) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 493.291 caratteri · 991 schermate
然し、わしには、何んの役にも立たぬことではあるまいか? わしの仕事には、何んの助けにもならぬことではあるまいか」
益満は、俯向いたまま、答えなかった。一人が
「如何致しますれば、お助けできましょうか」
「それは、いろいろとある。異国へ渡って、異国の文物を見て来るのもよいであろう。わしは、わし自身でも行きたいと、思うているくらいじゃ。又、語学を学んで、よい書物を訳してくれるのもよいであろう。又、機械の取扱いに熟練するのもよいし、何か、有益なものを発明してくれるのも嬉しいことじゃ」
一座の人々は、未だ、黙っていた。斉彬の言葉は、よくわかりはするが、遠いところに灯っている大きい燭光のようであった。自分達の近づけない、えらい主君であると思うと同時に、余りに、その距りがありすぎて、斉彬のこうした意見には、誰も、何も、いうことができなかった。
「某の処置は?」
と、益満がいった。
「お前は、お前のしたい通りにするがよい。とめはせぬ。然し、うれしいことでもない。お前は、国許におる西郷吉之助と二人で、仕事をしたなら、やりすぎが無うてよいがの」
斉彬は、然し、頼もしそうに、益満を眺めていた。